不動産売却の現状渡しについて!メリットとデメリットも解説

不動産売却の現状渡しについて!メリットとデメリットも解説

長年住んだ不動産を売却する際、あえて修繕やリフォームをおこなわずにそのまま引渡す、「現状渡し」を選ぶべきかお悩みではありませんか。
事前の出費や手間を省けるという魅力がある一方で、売却後の予期せぬトラブルや買主からの評価が下がるリスクもあります。
本記事では、現状渡しにおける契約不適合責任や告知義務といった基礎知識、さらに売主側のメリットとデメリットについて解説します。
時間やコストの負担を抑えつつ、スムーズな不動産売却を実現したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

不動産売却における「現状渡し」とは

不動産売却における「現状渡し」とは

不動産を現状渡しで売却するにあたって、関連する専門用語や売主の義務からおさえる必要があります。
まずは、現状渡しの基本や契約不適合責任、告知義務について解説していきます。

現状渡しの定義と違い

現状渡しとは、修繕やリフォーム、ハウスクリーニングをせず、今の状態のまま買主へ引渡す方法です。
実務では「現況渡し」や「現状有姿」と呼ばれることもありますが、ほぼ同じ意味合いとなっています。
通常は、壁紙の張り替えや設備の修理などで状態を整えてから募集しますが、現状渡しでは原則としてその手間を省いて進めます。
ただし、現状渡しはあくまで引渡し時の状態を示す取り決めであり、売主の法的責任が自動的に消えるわけではありません。

契約不適合責任の範囲

契約不適合責任とは、引渡した物件が契約内容と合わない場合に、売主が民法上負う責任のことです。
また、2020年4月の民法改正で、以前の瑕疵担保責任は契約不適合責任として整理されました。
判断のポイントは、欠陥が隠れていたかどうかよりも、契約書にどのように書かれているかに置かれます。
不具合が見つかった場合は、買主は修理を求める追完請求や代金減額請求、状況によっては契約解除などを選ぶことが可能です。
個人が売主の取引では、引渡し後3か月だけ責任を負う特約や免責特約を付けることもありますが、宅地建物取引業者が売主の場合は免責が認められにくい傾向にあります。
なお、把握していた不具合をあえて伝えなかった場合は、免責特約があっても責任を免れない点に注意しておきましょう。

告知義務とトラブル対策

告知義務とは、取引の前提として、売主が把握している不具合や欠陥を、契約前に買主へ正直に伝える義務です。
対象は雨漏りやシロアリだけに限らず、再建築不可などの法的事項や、近隣の騒音といった環境面も含まれます。
そのため、物件状況等報告書や付帯設備表を使い、状態を具体的に書面へ整理しておくと良いでしょう。
契約書類へ残しておけば、買主が状態を理解したうえで判断しやすくなり、後日の行き違いも防ぎやすくなります。
また、認識に不安がある場合は建物状況調査を実施し、不明点は不明と記しつつ、知っている事実は漏れなく伝えることが大切です。

不動産を現状渡しで売却する3つのメリット

不動産を現状渡しで売却する3つのメリット

前章では、現状渡しの基礎的なルールについて述べましたが、実際にどのような利点があるのか気になりますよね。
ここでは、費用削減や早期売却など、現状渡しのメリットについて解説します。

修繕費用を省ける

現状渡しのメリットは、壁紙の張り替えや設備交換などの修繕費用を、売却前に用意しなくて済む点です。
その分、手元の資金を温存できるため、引っ越し費用や住み替えにかかる諸費用、税金の見込み額にも余裕を持って備えやすくなります。
また、買主が自分好みにリフォームしたい場合は、あえて手を入れ過ぎていない物件のほうが選ばれやすいこともあります。
そのため、売却前の大きな出費を避けたい方にとって、現状渡しは資金計画を組み立てやすい方法と言えるでしょう。
最低限の準備として私物の撤去と簡単な清掃をしておけば、内覧時の印象が整い、物件の良さも伝わりやすくなります。

準備の短縮で早期に売却できる

現状渡しは修繕の工程が少ないため、売却準備を短くして、募集開始までのスピードを上げやすい方法です。
これは、査定依頼から媒介契約、販売資料の作成や掲載までの流れに、修繕の見積りや工事日程を入れなくて済むためです。
売り出しが早まると内覧日程も調整しやすくなり、買主とのやり取りも落ち着いて進めやすくなるでしょう。
その結果、需要が高まる時期を逃しにくく、空き家なら管理期間が短くなる分、電気や水道などの負担も抑えやすくなります。
ただし、残置物の片付けや必要書類の準備は欠かせないため、段取りは不動産会社と一緒に整理するとスムーズになります。

業者買取で契約不適合責任が免除される

早期売却やトラブル回避を最優先する場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう「業者買取」も有力な選択肢です。
個人の買主に向けた仲介取引では、引渡し後2〜3か月程度の契約不適合責任を負うのが一般的ですが、プロである不動産会社が買い取る場合は、売主の契約不適合責任を「完全免責(免除)」とするのが実務上の基本です。
業者は自らリフォームして再販することを前提としているため、売却後の予期せぬ修繕請求やトラブルのリスクをゼロにできる点は、売主にとって大きなメリットと言えます。
ただし、事前に把握していた雨漏りやシロアリ被害などの不具合を故意に隠していた場合は免責の対象外となるため、物件状況等報告書で正直に告知しましょう。
また、建物状況調査の結果を提示できれば説明が客観的になり、仲介と買取を比較しながら決めやすくなります。

不動産売却を現状渡しでおこなう際のデメリット

不動産売却を現状渡しでおこなう際のデメリット

ここまで、現状渡しのメリットを解説しましたが、注意すべきマイナス面もおさえておきましょう。
最後に、売却価格の低下や予期せぬトラブルなど、現状渡しのデメリットについて解説していきます。

売却価格が下がる要因

現状渡しは、買主が修繕費用を見込むため、費用感が見えにくいほど価格が控えめになりやすいです。
とくに、雨漏りの懸念や設備不良があると、購入後の修繕に余裕を持たせる分、価格へ反映されやすくなります。
一方で、状態を正確に開示し、付帯設備表などで不具合を具体化できれば、評価の根拠が明確になり安心感も伝わります。
リフォーム前提の買主には「自由に直せる」点を示せると、納得感のある取引につながりやすくなるでしょう。
そのため、修繕記録や写真をそろえ、内覧で説明できるよう準備し、不動産会社と見せ方も相談しておくことが大切です。

瑕疵発覚に伴うリスク

現状渡しでも、引渡し後に契約と異なる不具合が見つかれば、売主が契約不適合責任を問われる可能性があります。
その場合、買主は追完請求や代金減額請求を選べるほか、状況によっては契約解除や損害賠償に発展することもあります。
そのため、契約書の特約で責任期間や範囲を整理しておくと、手続きを進めやすくなるでしょう。
ただし、把握していた事実を伝えないまま契約した場合は、免責特約があっても責任を免れない点に注意が必要です。
リスクを抑えるには、物件状況等報告書や付帯設備表を丁寧に作り、説明内容も記録に残し、必要に応じて建物状況調査の結果も共有することが大切です。

買主のローン審査や資金調達のハードルが上がる

現状渡しの物件は、買主自身でリフォーム費用を負担・手配する必要があります。
住宅ローンにリフォーム費用を組み込む「一体型ローン」を利用する買主も多いですが、審査の手続きが複雑になったり、引き渡し前にリフォームの見積もりを確定させる必要があったりと、買主側の資金調達のハードルが上がります。
その結果、「手軽にすぐ住める物件」を探している層は離れてしまい、資金力のある方やリフォームを前提とした一部の層にターゲットが絞られ、成約までに時間がかかることも考えられるでしょう。
このデメリットを緩和するためにも、売主側から過去の修繕履歴や設備の導入年数などの情報を積極的に共有し、買主がリフォーム費用を見積もりやすいようサポートする姿勢が大切です。

まとめ

修繕せずに引渡す現状渡しでは、後日のトラブルを防ぐため、契約不適合責任や告知義務を正しく理解することが大切です。
修繕費用を抑えて準備期間を短縮しやすい点や、業者買取で契約後の責任を軽減しやすい点などのメリットがあります。
一方で、買主が修繕費用を負担する分、売却価格が下がりやすく、引渡し後に不具合が見つかった際のリスクも残る点には注意しましょう。

東大建設の写真

東大建設

大阪市や東大阪市の不動産売却・買取なら東大建設におまかせください。
土地・戸建・マンションの売却・買取から賃貸管理・リフォームまでワンストップで対応します。

■強み
創業40年以上東大阪で積み重ねてきた信頼と売却実績
事業用不動産の売却にも対応
地元専門家と連携

■事業
不動産売買
賃貸
管理
リフォーム